自然治癒のメカニズム
ここでは、傷が自然治癒していくメカニズムについて詳しく説明していきます。

私達人間の体は、怪我や病気など自分の体に起きた異常を自然に治す治癒力というものが備わっています。傷付いた組織だけでなく、老化によって古くなった細胞も次々に新しい細胞に取り換えられ、その繰り返しで生きています。
傷が塞がって治っていく仕組みについて普段意識することはなかなかありませんが、これを機会に自然治癒のメカニズムについて詳しく知っていきましょう。


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【第1期:炎症反応期】

怪我をすると患部周辺の組織破壊が起こります。血管が切れると破れた箇所から出血しますが、皮膚が破れていない場合は内部のみの出血、つまり内出血を起こします。血液には血小板が含まれていますが、この血小板の作用により血液が固まっていき止血される仕組みとなっています。
血液凝固作用を持つ血小板は、他にも様々な化学物質を放出します。さらに破壊された細胞膜から放出される化学物質と合わせて、患部周辺の組織に異常事態を知らせる役目を持っています。この異常感知により毛細管の壁を作っている内皮細胞の間にわずかな隙間が生じ、リンパ球や多核白血球、単核球が浸出液として血管から抜け出し、傷口へと運ばれてきます。

この過程の中で、私達が受傷後すぐに目にする4つの炎症反応が症状として現れます。
・浸出液によって患部が腫脹、つまり患部の腫れが起こります。
・毛細管の拡張によって発赤、皮膚が赤くなる現象が起こります。
・異常を感じた組織が活性化することで熱を持ち、発熱を起こします。
・末梢神経を刺激することで疼痛と呼ばれるジンジンとした痛みを感じます。

これら腫脹発赤発熱疼痛の4つの症状を炎症の4徴候と呼び、受傷後初期の治癒過程、第1期となります。

【第2期:増殖期】

単核球の貪食作用によって生じたマクロファージが放出する物質により、繊維芽細胞が呼び出されて修復の柱となるコラーゲンが産生されます。同時に壊れた血管を新しく造る指令も血管内皮細胞に出されます。
このコラーゲンに支えられて毛細血管が発達し、新たに酸素や栄養を含んだ血液が流れ込んで組織を修復していくという仕組みになっています。
この時期を増殖期、または肉芽形成期と呼び、およそ1〜2週間かけて続くのが治癒過程第2期となります。

【第3期:安定期】

次第に繊維芽細胞のコラーゲン産生が減少していき、産生量と分解吸収量が同程度となる時期に入ります。この時期を安定期と呼びます。安定期では見た目に変化が見られない状態ですが、実際には産生と分解のバランスが保たれた状態です。


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【まとめ】

このような過程で傷が自然に治っていくわけです。皮膚が正常な状態に戻るのには、およそ2〜3週間かかると言われていて、第1期〜第3期までが重なりながら治癒過程を成していきます。これが自然治癒のメカニズムです。


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